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                                                         jp-Swiss-journal - Vol. 224

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　　【 目次 / INDEX / INHALTSVERZEICHNIS 】

【J】 揺れるスイスの国民投票制度と9月22日の国民投票

　　　　　　　　　　　　　                    　　　 　　　明子　ヒューリマン

【E】 Switzerland's shaky Referendum System
           and the Popular Vote on September 22, 2024

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Akiko Huerlimann

～～～～～～～～～～～～～～【 日本語 】～～～～～～～～～～～～～～～

                        揺れるスイスの国民投票制度と9月22日の国民投票

　　　　　　　                     　　　　　　　　　 　　 　明子　ヒューリマン

2024年9月2日、ターゲス・アンツァイガー紙は、スイスの国民発議と国民投票に
関する「署名詐欺発覚」というスクープ記事を報じた。
情報の概要は以下の通り。

企業が金銭と引き換えにイニシアティブ委員会の署名集めを請け負う儲かるビジ
ネスが出現している。署名は買われただけでなく、偽造された可能性もあること
が明らかになった。

"Unsere Autoren erzaehlen, wie sie den Unterschriften-Bschiss enthuellten"
(タメディア調査が署名の偽造を発見)

タメディア・グループは、「Service-Citoyen-Initiative」の署名収集で、多数
の無効な署名が集められたと報じた。

タメディア調査に依ると、イニシアチブ委員会は「Incoop社」に、「確認付き」
署名1万件を1件あたり4.50スイスフランで収集するよう依頼した。署名が
「Incoop社」から届けられた後、委員会は署名の多くが無効であることを発見し
た。「Service-Citoyen-Initiative」委員会は不審に思い、調査を行った。
自治体によると、35％から90％以上が無効だった。
2023年6月14日、委員会は「Incoop社」の責任者フランク・テセモを連邦検察庁
に刑事告発した。国民投票の署名が、有料で個人が集める場合が増えている。

因みに、「Service-Citoyen-Initiative」 の委員会は、一般市民と環境のために、
強制的な社会奉仕活動を求めている。国際法では、国家が国民に強制社会奉仕
活動を呼びかけることを禁じている。

不正の殆どは幾つかの署名収集組織が本拠を置くヴォー州で特に顕著だ。
2019年の初めに、複数の自治体が「詐欺の可能性のある最初のケース」を報告し
ていた。当時、州当局の責任者は、「即座に自治体に指示を送り、連邦政府にも
通報した」と話す。

連邦検察庁は、「選挙不正の疑いで複数の手続きを行っている」ことを初めて認
めた。連邦検察庁と連邦刑事警察は「ここ数カ月間、特に家宅捜索や事情聴取と
いった様々な強制措置」を実施してきたが、捜査は複雑で、進行中の訴訟でもあ
るので、その内容を公表していない。

パンデミック以前は、この種の業者は数える程で、価格も安く1署名当り1.50
フランから 2.50 フランの間だったが、今日では7.50フランになることもある。
1件の報酬が総額数万スイスフランになる儲かるビジネスと言われている。
対価を支払って署名や票を買う行為は、現行法では違法では無い！

「この問題は2022年に始まり、2023年更に悪化し、今では大惨事になっている」
と事情通は言う。「地方自治体が詐欺事件を発見するのは非常に困難だ」と
ヴォー市の首席職員は言う。
投票権のある人の署名は、地方自治体の登録簿には記録されず、姓、名、住所、
生年月日が正しければ、偽造であっても有効なものと認定されている」。

ローザンヌでは、投票権証明書の数が過去 6 年間で爆発的に増加し、年間
30,000 筆強から 90,000 筆以上に増加した。この大幅な増加は主に、幾つかの
収集企業がヴォー州に拠点を置いているという事実による。
実は、連邦政府は「ドイツ語圏のスイスから不審な活動報告を受け取る件数が増
えている」と記している。いずれにせよスイス全土で偽造された署名の合計数は
誰も知らない。ヴォー州だけでも2019年以来数千件の偽造署名が発見されてい
る。

「Service Citoyen Initiative」の問題は特別なケースではなく、政治的大問題
であるにも関わらず、これまで隠蔽されてきた。
労働組合等大きな組織であれば、署名集めも容易だが、それ以外は困難な事情が
背景にある。知らぬは有権者だけだった！
選挙の不正は重大な犯罪で、違反した場合、罰金又は 3 年以下の懲役が科され
る可能性がある。

連邦評議会（政府）と議会は署名の購入禁止を何度も否決し、イニシアティヴや
レファレンダムの為の署名の有料収集を規制しようとはしなかったので、何度も
問題が起こった。連邦政府は「国民投票が公正な方法で収集されることを保証す
るのは委員会の責任」という立場だ。

スイスの国是である「直接民主制」を根底から揺るがす現象が暴かれた訳だ。
本来国民投票に図られる筈の無かった多くの議案が法制化され、あるいは法制化
の過程にある。

2024年9月14日付けTA紙は、「連邦政府は、偽造署名について当面の措置は見送
り、既に実現したイニシアティブの見直しもせず、署名購入の禁止も拒否、自主
規制を支持している。」と報じた。

国民投票は維持する必要がある制度だと思うが、運用に大きな足枷がある事が明
らかになった。これまでのように、頻繁に国民投票を実施出来なくなる可能性が
出てきた。署名集めの仕事で越境してくる外国人が、道行く人々に署名を強要し
たり、偽りの説明をしたりする例が伝えられている。路上での署名を拒否する市
民が増えるのは充分考えられる。何より、有権者の不信感が今後の投票意欲に陰
を落とす可能性大だ。対価を支払って署名集めをする悪習は排除されるべきだ。
スイス直接民主制の欠陥が明るみに出されたからには、抜本的な解決策が講じら
れる必要に迫られている。

【　2024年9月22日の国民投票　】

政府の説明を基に2議案を検証してみよう。

1．　国民発議「生物多様性イニシアティブ」

概要：

スイス政府とカントンは、ビオトープ、絶滅危惧種、貴重な景観や場所を保護し
ている。又、保護区を維持し、農業を含む生物多様性を促進している。生物多様
性の保全に年間約6億スイスフランを投資し、生物多様性を促進するための行動
計画を実施している。

発議委員会は、こうした対策は十分ではないと考え、自然、景観、建築遺産を更
に保護するよう求めている。生物多様性の為の資金と保護地域の拡大も要求して
いる。特にカントンには、景観や遺跡の保護についてより大きな責任を負うよう
求めている。更に、保護地域外の自然、景観、建築遺産の保護も求めている。

投票の質問 は、「国民発議『我々の自然と景観の未来の為に（生物多様性イニ
シアティブ）』を受け入れるか？」

連邦評議会と連邦議会は「反対」を推奨：
このイニシアチブは行き過ぎと考える。貴重なビオトープ、景観、土地は既に保
護され、生物多様性は促進されている。もし議案が受け入れられれば、エネルギ
ー供給、農業、都市開発といった重要な問題が、あまりにも厳しく制限されるこ
とになる。

発議委員会は「賛成」を推奨：
連邦政府とカントンに、自然資源の保護にもっと努力義務を負わせたい狙いがあ
る。

議会の評決：
国民議会では、反対124票、賛成72票、棄権2票。
全州議会では、反対33票、賛成12票、棄権0票。

TA紙の報道では、
賛成がSP、緑の党、GLP、EVPの各政党、Pro Natura、Birdlife、Schweizer
Heimatschutz、WWF、VCS。
反対は、連邦政府・議会、SVP、中道党、FDP、EDUの各政党、Schweizerischer
Bauernverband、Schweizerischer Gewerbeverband、Baumeisterverband、
Schweizer Tourismus-Verband。

争点：

スイスは、国境を越えた生物多様性の促進と保全を目的とした多くの国際協定に
加盟している。

スイス農民組合は、「極端な生物多様性イニシアティブに反対する」と表明。
自給率は現在既に50％を下回っている。イニシアチブに依って保護下に置かれる
土地が大幅に増え、食糧生産に影響が出ることを恐れている。

景観や記念碑の保護も強化しようとしている。そのため、建設活動や観光業にも
影響を及ぼすだろう。再生可能エネルギーの拡大も遅れることになる。

電力業界も、電力供給の安全が脅かされるこの構想に反対している。

イニシアティブは、景観や記念碑の保護を含む生物多様性の強化を目指している
ので、比較的幅広いテーマを扱っている。その為、様々な分野で悪影響が懸念さ
れている。

農民達は、スイスの生物多様性は言われる程損なわれていないと述べている。
これは、学者の意見と分かれるところだ。いずれにせよ、左派陣営の机上の空論
に付き合っていると、国民は食糧不足に直面する可能性がある。

2．「職業年金制度改革」

概要 :

職業・遺族・障害年金制度に関する連邦法（BVG）の改正に異議を唱えるレファ
レンダム委員会が国民投票に漕ぎ着けた。

多くの人にとって、年金制度3本の柱の内、職業年金（第二の柱）はAHV（第一の
柱）を補完する重要なものだ。現役時代には、給与と雇用主の拠出で年金基金に
老後資産を積み立てる。これらは後に年金の支払いに充てられる。

一定の収入までは、積立額に最低額の年金を支払わなければならないと法律で定
められている。しかし、金融市場の収益率の低下と平均余命の延長により、
職業年金制度のいわゆる義務的部分の年金は、最早十分な財源を確保できなくな
っている。これは、法定最低額かそれを少し上回る金額しか提供していない年金
基金に特に影響を及ぼす。

第二の問題は、パートタイムや低賃金部門で働くことが多い収入が少ない人は、
年金基金の年金を受け取れないか、極僅かしか受け取れない。平均を上回る数の
女性がこれに該当する。

この改革では、将来の年金財源をより確実に確保するための措置が規定されてい
る。加えて、低所得者の多くは、将来、より高額の年金を受け取ることになる。
つまり彼らや雇用主は、現在よりも高い年金保険料を毎月支払うことになる。

殆どの従業員は、法定最低給付額を大幅に上回る年金基金に加入しているので、
今回の改革は彼らに殆ど影響を与えないだろう。
既に退職した人の年金は、改革の影響を受けない。

投票に関する質問 ：
職業年金改革法（職業・遺族・障害年金制度）に関する連邦法（BVG）、2023年
3月17日改正を受け入れるか？

連邦評議会と議会は賛成を推奨：

連邦評議会と議会は、この改革が、強制的な職業年金制度の下での将来の年金
が、再び長期的に十分な財源を確保するために必要と考える。
収入の少ない人々は、老後によりよく保護される。特に女性はその恩恵を受け
る。

レファレンダム委員会は反対を推奨：

同委員会は、年金基金からの年金は何年も下がり続けているので、多くの職業人
にとって低すぎる。この改革は、更なる年金削減の恐れがある。被保険者の負担
は増えるが、受け取る年金は減る。
対照的に、金融業界は被保険者を犠牲にして数十億ドルをかすめ取っている。

議会の評決：
国民議会では、賛成113票、反対69票、棄権15票。
全州議会では、賛成29票、反対8票、棄権5票。

TA紙の報道では、
賛成が政府・議会、SVP、中央党、FDP、GLP、EVP、EDU、Schweizerischer
Gewerbeverband、Alliance F、Schweizerischer Arbeitgeberverband。
反対はSP、緑の党、Schweizerischer Gewerkschaftsbund、Travail Suisse、
Gastro Suisse。

国民年金（AHV）に関連して、2024年8月6日付けTA紙は、「連邦政府がAHVに
数十億スイスフランの計算ミスを発見」と報じた。

AHV（老齢年金）の年金財政予測によると、2033年の支出は40億スイスフラン
（CHF）減少する見込みで、これは約6％の偏差に相当する。2033年の赤字は、
従来予想されていた70億スイスフランではなく、40億スイスフラン程度になる。
しかし、AHV は依然として資金調達の問題を抱えていて、特に 2026 年から第
13 ヶ月目の AHV導入後は顕著になる。
政治家が何もしなければ、AHV は矢張り赤字になると懸念されている。

僅かな数式のミスや予想外の出来事、連邦制等、年金の将来予測を難しくする要
素が指摘されている。こうした事情を考慮すると、年金は微調整しながら改革し
ていく必要がありそうだ。

★ スイス連邦議会の政党名 / Political parties represented in Parliament:

【 編集後記 】

国民投票を目前にして、署名の売買という青天の霹靂とも言える事態が明るみに
出された。こうした事情は、メディアを始め政治家や企業、団体は把握していた
のに、誰も「猫の首に鈴」を付けたがらなかったとしか思えない。
タメディア紙は先日、業績を上げているにも関わらず報道部門の大量の人員整理
を発表した。報道部門が赤字だからという理由だ。国民の顰蹙をかわすために、
点数稼ぎの報道をしたと言うことか？いずれにせよ、「国民投票」の質と件数が
是正されることを望んでいる。（A.H.）

～～～～～～～～～～～～～～～【 English 】～～～～～～～～～～～～～～

　　　　　　　  Switzerland's shaky Referendum System
                            and the Popular Vote on September 22, 2024

　　　　　　　　                                                     　  Akiko Huerlimann

From September 2, 2024, the Tages-Anzeiger reported a scoop Report on
the Discovery of a "Signature Scam" regarding to People's Initiatives
and Referendums in Switzerland.
A Summary of this Information is as follows.

A lucrative Business has emerged in which Companies undertake to collect
Signatures for Initiative Committees in Exchange for Money. It has been
revealed that Signatures have not only been bought, but may also have
been forged.

"Unsere Autoren erzaehlen, wie sie den Unterschriften-Bschiss
enthuellten". (Tamedia-Research uncovers Signature Forgery)

Tamedia Group Newspapers reported that many invalid Signatures were
collected during the Collection of Signatures for the "Service Citoyen
Initiative".

Based on Tamedia-Research, Initiative Committee had commissioned the
Organization "Incop" to collect 10'000 Signatures "with Validation" for
CHF 4.50 each. After the Signatures were deposited by "Incop", Committee
found out that many of them turned out to be invalid. People of "Service
Citoyen Initiative"-Committee became suspicious and investigated.
According to Municipalities, 35% to more than 90% were invalid.
On June 14, 2023, the Committee filed a Criminal Complaint with the
Federal Prosecutor's Office against "Incoop", its Head Franck Tessemo.
More and more Signatures for Popular Initiatives are being collected by
paid Individuals.

Bundesanwaltschaft ermittelt wegen Verdachts auf Wahlfälschung - News - SRF

On a Side Note, the "Service-Citoyen-Initiative" Committee is calling
for compulsory Community Service for the Benefit of the General Public
and the Environment. International Law prohibits States from requiring
their Citizens to perform compulsory Community Service.

Abstimmungen: Unterschriften-Bschiss bei Volksinitiativen | Tages-Anzeiger

Most of the Fraud is particularly evident in the Canton of Vaud, where
several signature-gathering Organisations are based. At the Beginning of
2019, several Municipalities had reported "first Cases of possible
Fraud". At the time, Head of State Authorities said "he immediately sent
Instructions to the Municipalities and also informed the Federal Council
(Bundesrat/Government)."

The Federal Prosecutor's Office admitted for the first time that it was
"carrying out several Procedures on Suspicion of electoral Fraud against
commercial Signature Collectors". The Federal Prosecutor's Office and
the Federal Criminal Police have carried out "various Enforcement
Measures in recent Months, in particular House Searches and Interviews",
but have not disclosed any Details because the Investigations are
complex and there are also ongoing Proceedings.

Before the (Corona)-Pandemic, there were only a few of this Type of
Business, and Prices were low, ranging from CHF 1.50 to CHF 2.50 per
Signature, but today the Price can be as high as CHF 7.50 per Signature.
It is said to be a lucrative Business with a total Reward of several
tens of Thousands of Swiss Francs per case.
The Act of Buying Signatures for People's Initiatives and Referendums
based on a Fee is not illegal under current Law!

"The Problem started in 2022, got worse in 2023 and is now a Disaster",
says a well-informed Source. "It's very difficult for local Authorities
to detect Fraud Cases", says a Chief Official from the Canton of Vaud
(VD).
The Signature of a Person entitled to Vote is not recorded in the local
Government Register and "if the First Name, Surname, Address and Date of
Birth are correct, it is recognised as valid, even if it is forged".

In Lausanne, Number of Certificates of Eligibility to Vote has exploded
over the past six Years, rising from just over 30,000 per Year to more
than 90,000. This significant Increase is mainly due to the Fact that
several Collection Companies are based in the Canton of Vaud (VD).
Actually the Federal Government notes that it has "received an
increasing Number of suspicious Activity Reports from German-speaking
Switzerland". Anyway, no one knows the total Number of forged Signatures
across Switzerland. In the Canton of Vaud alone, several thousand forged
Signatures have been found" since 2019.

certificate of eligibility to vote

The Issue of the "Service Citoyen Initiative" is not a special Case, but
a major Political Issue that has been covered up.
It is easy for large Organisations, such as Trade Unions, to collect
Signatures, but otherwise difficult Circumstances are behind the
Situation. The only People who did not know about the commercial
Signature Collection were the Voters!
Election Fraud is a serious Offence and can result in a Fine or
Imprisonment for up to three Years if violated.

The Federal Council (Government) and Parliament repeatedly rejected a
Ban on the Purchase of Signatures and did not attempt to regulate the
paid Collection of Signatures for Initiatives and Referendums, which
caused Problems time and again.
The Federal Government's Position is that it is the Responsibility of
the Committe to ensure that Signatures for Initiatives and Referendums
are collected in a fair Manner.

Unterschriften-Bschiss bei Initiativen: Parlament lehnte Verbot ab | Tages-Anzeiger

This has exposed a Phenomenon that undermines Switzerland's National
Policy of the "Direct Democracy". Many Bills that were not supposed to
be put to a Referendum have become Law or are in the Process of becoming
Law.

Tages-Anzeiger reported on September 14, 2024, "The Federal Government
has decided to forego immediate Action on forged Signatures, not
reviewing Initiatives already realized, refusing to ban the Purchase of
Signatures, and favoring Self-Regulation", it reported.

Unterschriften-Bschiss: Bundesrat verzichtet auf Verschärfungen | Tages-Anzeiger

The Referendum is a System that needs to be maintained, but it has
become clear that there are major Obstacles to its Operation. It is now
possible that Referendums may no longer be held as frequently as in the
Past. There have been reported Cases of Foreigners crossing the Border
on Signature-Gathering Jobs, forcing People on the Street to sign a
Petition or giving false Explanations. It is conceivable that more
Citizens will refuse to sign a Petition on the Street. Above all,
Voters' Distrust is likely to cast a Shadow over their Willingness to
vote in the Future. The bad Practice of paying to collect Signatures
must be eliminated.
The Flaws in Switzerland's Direct Democracy have been brought to light,
and it is imperative that some Sort of Solution is put in place.

[ The Popular Vote on September 22, 2024 ]

Let's examine the Initiative and the Amendment (Reform) based on the
Government's Explanation.

1. Popular Initiative : "Biodiversity Initiative"

Overview:

The Swiss Government and the Cantons protect Biotopes (Habitats),
endangered Species, precious Landscapes and Sites. They also maintain
protected Areas and promote Biodiversity, including in Agriculture.
They invest around 600 Million Swiss Francs per Year in Biodiversity
Conservation and have an Action plan to promote Biodiversity.

The Initiative Committee believes that these Measures are not enough and
calls for further Protection of the natural World, Landscape and
architectural Heritage. It also calls for more Funds for Biodiversity
and an Expansion of protected Areas. It calls for the Cantons in
particular to take greater Responsibility for the Protection of
Landscapes and archaeological Sites. It also calls for the Protection of
Nature, Landscape and architectural Heritage outside protected Areas.

The Voting Question is: Do you want to accept the People's Initiative
"For the Future of Our Nature and Landscapes (Biodiversity Initiative)?"

Federal Council (Bundesrat/Government) and Federal Parliament recommend
"No":
They consider the Initiative to be an excessive Step. Valuable Biotopes,
Landscapes and Land are already protected and Biodiversity is promoted.
If the Initiative is accepted, important Issues such as Energy Supply,
Agriculture and Urban Development will be restricted too severely.

Initiative Committee recommends "Yes":
Their Aim is to oblige the Federal Government and the Cantons to make
more Efforts to protect Natural Resources.

Parliamentary Verdict:
National Council (Nationalrat): 124 Votes against (No), 72 in favor
(Yes) and 2 Abstentions.
Council of States (Staenderat): 33 Votes against (No), 12 in favor
(Yes) and 0 abstentions.

Tages-Anzeiger Newspaper reports:
In favor (Yes) are Political Parties SP, Greens, GLP, EVP. Pro Natura,
Birdlife, Swiss Heritage Society (Heimatschutz), WWF (World Wildlife
Fund), VCS.
Opposed (No) are Government and Parliament, Political Parties SVP, the
Centre Party, FDP, EDU. Swiss Farmers' Union, Swiss Trade Association
(Gewerbe), Association of Master Builders and Swiss Tourism Federation.

[Point of Dispute]

Switzerland is a Party to many International Agreements aimed at
promoting and protecting transboundary Biodiversity.
Biodiversität - UVEK

The Swiss Farmers' Union stated that it is "against the extreme
Biodiversity Initiative." Self-Sufficiency is currently already below
50%. They fear that the Initiative will significantly increase the
Amount of Land under Protection, which will affect Food Production.

The Initiative also wants to strengthen the Protection of Landscapes and
Monuments. This will have an Impact on Construction Activity and
Tourism. The Expansion of renewable Energies will also be delayed.

The Electric Power Industry is also opposed to the Plan, which threatens
the Security of the Power Supply.

The Initiative covers a relatively wide Range of Topics, as it aims to
strengthen Biodiversity, including the Protection of Landscapes and
Monuments. This is why there are Concerns about negative Effects in
various Fields.

Farmers say that Biodiversity in Switzerland is not as damaged as People
say. This is a Point of Contention with Academics.
In any case, if we go along with the Armchair Theories of the Left Camp,
the People may face Food Shortages.

2. "Reform of the occupational pension system" (Amendment on Federal
Law)

Overview:

A Referendum's Committee, challenging the Amendment to the Federal Act
on the Occupational, Survivors’ and Disability Pension Plans (BVG), has
managed to get the Matter to a national Vote.

For many People, the Occupational Pension (second Pillar) is an
important Complement to the Old-Age and Survivors' Insurance Pension
[AHV] (first Pillar), part of the three Pillars of the Swiss Pension
System. During their Working Years, they accumulate Retirement Assets in
a Pension Fund with their Salary and Employer Contributions. These are
then used to pay their Pension.

Up to a certain Income, the Law requires a Minimum Amount of Pension
Money to be paid out for each Swiss Franc saved. However, because of low
Returns on the Financial Markets and rising Life Expectancy, Pensions in this
Mandatory Part of the Occupational Pension System are no longer adequately
financed. This particularly affects Pension Funds that only offer the Statutory
Minimum or a bit more.

There is also a second Problem; those who do not earn very much to begin
with receive little or no Occupational Pension. This affects a
disproportionate Number of Women, because they often work Part-Time or
in low-wage Sectors.

The Reform provides for Measures to finance future Pensions more
securely. In addition, many low Earners will receive a higher Pension
when they retire; both they and their Employers will pay higher Monthly
Contributions than they do today.

Most Employees have a Pension Fund that offers significantly more than
the Statutory Minimum Benefits. As a result, the Reform will have little
Impact on them.
The Pensions paid to People who have already retired will not be
affected by the Reform.

The Voting Question is: "Do you want to accept the Federal Law (BVG) on
Occupational Pension Reform (Occupational, Survivors' and Disability
Pension Plan), as amended on March 17, 2023?"

Swiss Federal Council (Bundesrat/Government) and Federal Parliament
recommend "YES":

The Federal Council and Parliament consider this Reform necessary to
ensure that future Pensions under the compulsory Occupational Pension
System are once again adequately funded in the long Term. People with
low Incomes will be better protected in Old Age. Women in particular
will benefit.

Referendum's Committee recommends against: "NO":
Referendum: Nein zum BVG-Bschiss am 22. September 2024

The Referendum's Committee says Pensions from Pension Funds have been
falling for Years and are too low for many Professionals. The Reform
threatens to lead to further Cuts in Pensions, with Insureds paying more
but receiving less. In contrast, Financial Industry is skimming off
Billions at the expense of Insureds.

Parliamentary Verdict:
National Council (Nationalrat): 113 in favor (Yes), 69 against (No) and
15 Abstentions.
Council of States (Staenderat): 29 in favor (Yes), 8 against (No) and
5 Abstentions.

Tages-Anzeiger Newspaper reports:
In favor (Yes) are Government and Parliament, Political Parties SVP,
Center Party, FDP, GLP, EVP, EDU, Swiss Trade Association (Gewerbe),
Alliance F, Swiss Employers' Association (Arbeitgeber).
Opposed (No) are Political Parties SP, Greens, Swiss Federation of Trade
Unions (Gewerkschaft), Travail Suisse and Gastro Suisse.

Regarding Pensions (AHV), the August 6, 2024 Edition of Tages-Anzeiger
reported that "Federal Government has miscalculated the AHV by
Billions".
AHV: Bund hat sich um Milliarden verrechnet | Tages-Anzeiger

Pension Financing Projections for the AHV (Old-Age Pension) show that
the Expenditure in 2033 is likely to be 4 Billion Swiss Francs (CHF)
lower, which corresponds to a Deviation of about 6%. Deficit for 2033 is
now around CHF 4 Billion instead of the previously expected CHF 7
Billion.

However, the AHV still faces Funding Problems, which will be especially
pronounced after the Introduction of the 13th Month-AHV-Pension starting
in 2026.
It is feared that if Politicians do nothing, the AHV-Pension will be in
the red.

Factors that make it difficult to predict the Future of Pensions, such
as slight Errors in Formulas, unexpected Events, and the Federal System,
have been pointed out. Taking these Circumstances into account, it seems
that Pensions will need to be reformed with some Fine-Tuning.

★ スイス連邦議会の政党名 / Political Parties represented in Parliament:

［Editor's Postscript］

The Situation was brought to light out of the blue just before the
Referendum (Voting Date). One can only assume that the Media,
Politicians, Companies, and Organizations were aware of these
Circumstances, but no one wanted to put a "bell the Cat" regarding to
the Commercial Collection of Signatures for Initiatives and Referendums.
Tamedia Group Newspapers recently announced a massive Layoff in its News
Department despite the Fact that it is performing well. The Reason is
that the News Division is losing Money. Does this mean that they dared
to report a point-scoring Story in order to avoid public Frowns?
In any case, we hope that the Quality and Number of "National
Referendums" will be improved.

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